000202 乖離。


 画材ショーに行ってきました。「日本最大の画材ショー」と銘打っておりまして、各地の画材業者さんがブースを設けて最新画材の展示・即売をおこなっています。

絵を描くことは昔から好きで、こういう画材を見ると非常にうれしくなってしまうのですが、つらつら並べられている魅力的な画材を見るにつけ、少しの寂しさも沸いてきたんですね。現状ではとても絵に没頭できる幸せな時間は作れないなあ、と。そして現場で画材の実演などをしたりしながら働いている人のなんだか幸せそうな表情(あくまで僕の印象ですが)を見て、悔しさも感じました。ああ、こういう趣味を特化したような職業につけたらいいよなあ、と。

 もちろん今大学で学んでいることも、そしてこの先大学院で続けていこうとしていることも、自分の好きな道、自分で選んだ道であることには違いないんですが、まだまだ中途半端な位置にいる自分に、こういう別の道のあり方なんかをまざまざと見せ付けられると、苦しくなります。やりたかったこと、そして今の自分がやらなきゃいけないこと、その間にいつのまにかできてしまったラグを感じました。

 大学に進学すると決めた時点で、そんな未練なんかはある程度断ち切ってはきたんですけどね。大学に行かなきゃならないぞとする周囲の波にのみこまれたまま自分のやりたいことに人生を預けるだけの覚悟が持てなかったことに後悔(とは言いたくないんですけど)の念もちょっとだけ沸きました。選択ができるだけの余裕を与えてもらいながらも、ね。先着2500名様に渡されたスケッチブックを眺めつつ、ふむ、風景画でも描いてみようかな、色鉛筆など買って、などと思うのでした。


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