081128 ヴィルヘルム・ハンマースホイ展 [日常]

 この秋にから冬にかけて、東京都下および近郊の美術館・博物館では注目の企画が続々と開幕、ミーハーな僕は目移りしております。ざっと挙げるとこんな感じ。

 フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち (東京都美術館
 ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情 (国立西洋美術館
 没後40年 レオナール・フジタ展 (上野の森美術館
 巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡 (国立新美術館
 巨匠ピカソ 魂のポートレート (サントリー美術館
 ボストン美術館浮世絵名品展 (江戸東京博物館
 セザンヌ主義 (横浜美術館

 日本国内での人気や知名度が比較的高い作家 (ハンマースホイ除く) の企画が、これだけ一時期に集中するのも珍しいのではないでしょうか。 「セザンヌ」 - 「ピカソ」 - 「フジタ」 ラインで、前者が後者に与えた影響に思いを馳せながら追いかけてみるのも面白そうです。

 私的優先順位に忠実に各地めぐっている今日このごろ、先日は午前休を使って上野のフェルメール展、ハンマースホイ展をハシゴしてきました。

 フェルメールは今や日本でも人気作家のひとりとなりましたが、片やハンマースホイは先述の通り人気・知名度ともはるかに低いのが現状。僕もまた、今回の来日で初めてその名を耳にしました。

 いきおい鑑賞前の期待度もフェルメールに比べれば低かったのですが、どっこい頑強な意思のもと描かれ続けた静謐な室内画の数々に心動かされ、先に観たフェルメールの印象がかすむくらいでした。フェルメールを 「光の天才画家」 と持ち上げていますが、フェルメールの影響を受けたとされるハンマースホイもまた、光の別の側面をとらえています。ヴィルヘルム・ハンマースホイ、おぼえておこう。おぼえにくいけど、一度おぼえれば忘れない、そんな名前。

 名前といえば 「ヴィルヘルム・ハンマースホイ」 と、長いフルネームをあえて展覧会名にもってきたのは、一見したときの 「誰?」 「長!」 という疑問や驚きでもって印象づける意図があったのではないかな、と推測します。名前だけで一定の集客が見込める 「フェルメール」 「セザンヌ」 「ピカソ」 とは事情が異なるので。いい作家に出会えました。

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