060429 免許皆伝 [日常]

 運転免許を取ってみましたよ。

 教習所に通い始めたのは昨年10月。たっぷり半年かかりました。季節は冬を飛び越えて、春。雪道をおそるおそる走行したのも遠い記憶となりました。土日しか通えないと、やはり時間がかかります。試験場が平日しか開いていないのも痛い。教習所の卒業検定をパスしたのは3月上旬だったのに、晴れて免許取得は4月下旬。それも土日出勤の代休で、です。

 そこで 「学生のときに取っときゃよかった」 と思ったかというとそういうわけでもなくて、むしろ今、 「授業を受ける」 とか 「みるみる上達する」 とか 「ソリの合わない指導員の容赦ない指導にヘコむ」 とかいった経験ができてよかったなあ、と思うわけであります。やればやるほど伸びますよ、という技能の急上昇曲線は、大人になってしまってからではなかなか描けません。

 同じ意味で、僕は(好きな指導員の)指名制度、あるいは(苦手な指導員の)忌避制度を、あえて一度も利用しないで乗り切ってみました。波長が合う指導員を指名し続ければ気分よく教習を終えられるのは道理なのですが、逆に合わない指導員の隣で、 「このイヤな口調は、テクニック上の問題なのか生来の気質なのか」 とか 「こういう教え方はいかんなあ」 とか 「なんでこんなに気分が悪くなるのか」 とかを考えるのが楽しかったです。うん、やっぱり僕はMだ。

 そうすると不思議なもんで、 「この人の指導はもうカンベン」 なんて思った人の指導内容のほうが頭と身体に残ってて、検定のときに有効だったりするわけです。といいつつ卒業検定、一度落ちましたけれども。ブレーキ踏まれましたけれども。

 ともあれ、このような広い心で教習に臨むことができたのも、十分に大人になった今だからこそでしょう。学生時分だったら、もっとあたふたしてたと思います。

 30歳を前にしての免許取得は、おそらく遅い部類に属するんでしょうが、自転車に初めて乗ったのも15歳の冬と、 「めんどくさいことは後回し」 がモットーの僕にしてみればむべなるかな、です。それも 「高校通学に必要だから」 という火急の事情からでしたし。

 対して今回はそうした切羽詰まった事情があるわけではなく、東京の真ん中らへんに住んでいる以上、すぐに車を買えるわけでもありませんから、取得したとてしばらくはペーパードライバーかと思われます。ただ今後仕事を続けていくうえで免許を持っていないと、 「取材に行ってくれたまえ」 「車運転できないから無理ですぅ」 てなことになってしまうケースがないとも言い切れず、そんなことでは仕事を取りっぱぐれるし食いっぱぐれてしまうという危機感が多少あったのは事実です。

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