061223 カラオケで考える [日常]

 学生時代には週に2回も3回も行っていたカラオケですが、卒業後は年に1、2回がいいところになってしまいました。

 先日は、記憶する限り今年2回目のカラオケでした。会社の忘年会の3次会。カラオケボックスではなく、とある銀座のバーです。カウンターがあって、ママがいて、水割りが出てくる。絵に描いたようなオトナの社交場です。

 「場ちがいだなあ」 と思いつつも、逃げ出すことはできません。この日は僕自身の歓迎会も兼ねていたからです。入社した時期が時期だけに忘年会と一緒くたにされてしまいましたが、歓迎していただけるだけありがたいことです。そんな一応の主役でもあるため、店に入り席に着くなり、 「Ranaくん、どんどん歌いなよ」 という周囲からの圧力が僕の一身にかかることになってしまいました。

 歌うことは嫌いではないので、強いられることもやぶさかではないのですが、こういう場で悩まされるのは選曲です。周りは50歳代の部長を筆頭に、すべて僕より年配。さらに客は僕らだけではなく、2、3の他グループが酒席を囲んでいます。場をシラけさせない歌を選ばねばなりません。

 「気にせず好きな歌を歌えばいいじゃん」 という意見もあろうかと思いますが、僕が 「本当に」 好きな歌を選ぶと、 (初期の) 浜崎あゆみや (初期の) 鈴木あみ、そして (初期の) モーニング娘。ばかりになってしまいます。入社早々カミングアウトしたくもないので、これらは選択肢から除外されます。

 難しいのは、 「周囲は 『 (相対的な) 若者』 が 『今どきの歌』 を歌うことを期待している」 こと、そして 「たとえ 『今どきの歌』 でも、認知度が中途半端だとシラける」 ということです。この環境設定の下では、多少ベタでも不本意でも、CMやドラマで使われているなどして認知度が高い歌を選んだほうが、失敗は少ないようです。経験から学びました。

 そしてこの日、僕が歌ったラインナップは以下のとおり。

 「全力少年」 (スキマスイッチ)
 「 「いちご白書」 をもう一度」 (バンバン)
 「宙船」 (TOKIO)
 「22歳」 (谷村新司)
 「青春アミーゴ」 (修二と彰)
 「浪漫飛行」 (米米CLUB)
 「ハネウマライダー」 (ポルノグラフィティ)

 「つべこべ言いながら7曲も歌ってんじゃん」 という突っ込みはさておき、この選曲自体に僕の迷いが凝縮されているように思われます。客層に合わせた (僕も客ですが) 歌がよいのか、やや新しめの歌がよいのか、1曲歌うごとに試行錯誤しています。周囲のノリなどをもとに結果をまとめると、

 ○ 「宙船」 「青春アミーゴ」
 △ 「 「いちご白書」 をもう一度」 「22歳」 「浪漫飛行」
 × 「全力少年」 「ハネウマライダー」

 こんな感じでしょうか。 「歌いたい」 という素直な欲求のままに選んだ 「全力少年」 「ハネウマライダー」 は、案の定失敗しました。 「宙船」 にしろ 「青春アミーゴ」 にしろ、うろ覚えで歌ったこれらの歌のほうが受けがいいのは複雑です。ジャニーズは強い。なかでも 「宙船」 は、 「中島みゆき作詞・作曲なんですよね」 というネタで話も膨らむので、なかなか有用でした。

 気のおけない仲間との、好き勝手に選曲できるカラオケはもちろん楽しいのですが、このように気を使いっぱなしで妥協や諦観が要求されるカラオケも、煩わしさがある一方でいろいろと考えさせられる面があり、悪くないものです。そのうち 「今どきの歌は若者にまかせて」 とか言うようになるのでしょうが。

 ちなみに 「青春アミーゴ」 では、僕は彰 (あきら) のパートでした。地元じゃ負け知らずです。

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