061228 コンマっちゃうな [随想]

 会社が冬休みに入ったので,確変っぽく更新しています。ネタの在庫一掃というウワサもあります。3日連続更新なんて,いつ以来だろう。この年末に,ほかにすることないのか? という気もしますが,実際ないです (それはどうなんだ) 。

 さてここまでの文章,いつもと違う雰囲気を感じ取れないでしょうか? すでにピンときている方もおられるかもしれませんが,今日の文章は,読点 (、) ではなくコンマ (,) を使用しながら,書き進めております。どういう風の吹き回しでしょうか。

 実はこれ,11月からの新しい仕事に関係しています。入社したのは, (広義の) 自然科学系の媒体を発行している出版社。書いたり編集したりするほとんどの文章は,横組みで配置されます。その文中においては, 「読点 (、) の替わりにコンマ (,) を使用しましょう」 という,社内のルールがあるのです。

 このルール,いわゆる 「理系」 の書籍・雑誌では多数派のようで,一般向け雑誌の 『 Newton 』 でも,あるいは専門家しか読まない学会誌でも,コンマが幅を利かせています。近年は横組みでも読点を使用するケースが増えてきているようですが。

 コンマの使用は何も 「理系」 の文章に限ったことではないのですが,かなり高い割合であろうことは予想できます。おそらく小・中学校の 「算数」 「理科」 の教科書でも,コンマが使われているのではないでしょうか。 「コンマ= 『理系』 」 というイメージが強いこともあって,ブログなどでコンマを使用している書き手を見つけると,僕は反射的に 「この人, 『理系』 なのかな」 なんて思ってしまいます。

 で,ただ読んでるだけのうちはよかったんですが。

 いざ自分がコンマの入った文章を書く段になると,どうも違和感がぬぐえません。コンマ使用を標準とするためには 「MS-IME」 などの日本語入力ソフトの設定をちょっと変えればいいだけの話なので入力上の問題はないのですが,文中にコンマが登場する端から 「あ,コンマだ」 「またコンマ」 「これもコンマ」 と,気が散って仕方がない。書き上がった文章を眺めてみても,なんだか他人が書いたものみたい。読点がコンマに置き換わるだけで,こんなに印象が違うものかと思います。あえてコンマを使用している今日の日記も,普段と勝手が違うためか倍以上の時間をかけて書いています。

 そういえば僕は,大学の卒業研究のリポートを作成する際にもコンマの使用を嫌い,読点使用を貫いたのでした。長年にわたって読点のみを使い続けてきた習性は,2ヵ月やそこらでは消えません。かといって 「おれ,コンマ使うのイヤっす」 なんて主張していては,せっかくありついた仕事を失ってしまいます。早いとこ慣れて,スムースに記事を書けるようにならなくては。まったくもう,困っちゃう。

 そう,だから 「コンマっちゃうな」 ,と (このタイトルを通すかどうか,10分ほど悩みました) 。

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