070122 そのまんまの魅力 [随想]

 宮崎県が熱い。いま巷の話題は、宮崎県か納豆か、です。

 かつて13年間宮崎に住んでいた僕ですが、宮崎県知事選挙の結果が全国版の新聞一面やプライムタイムのトップニュースを飾る日がこようとは、夢にも思っていませんでした。近年、伝わってくるニュースといえば 「シーガイア倒産 (2001年) 」 「高千穂鉄道、台風被害で運休 (2005年) 」 「延岡市、竜巻被害 (2006年) 」 「前知事、官製談合事件 (2006年) 」 と、暗いものばかり。今回の選挙結果がグッドニュースかバッドニュースかを判定するには少々時間が必要でしょうが、叶うならば県政をよい方向に進めていってもらいたいもんだと、元県民としては願うわけです。

 県内外からの 「 『芸人』 に県政ができるのか」 という否定的意見は、告示後も当選後も聞こえてきます。それは 「できる芸人もいるだろうし、できない芸人もいるだろう」 ということでしかないので、氏のこれからの手腕に注目するほかありません。

 職場の同僚からも訊かれました。 「元県民として、この結果はどうなん?」 と。前述のように芸人出身であることについて僕は頓着しないのですが、 「正直、微妙っす」 と感じてしまう要素がひとつだけあって、それすなわち芸名なのであります。

第17回宮崎県知事選挙確定開票結果
 そのまんま東 無新  266,807
 川村秀三郎  無新  195,124
 持永 哲志  無新  120,825
 津島 忠勝  共新  14,358
 武田 信弘  無新  3,574

 言わずもがな、 「そのまんま」 という脱力単語が浮いています。当選後、見出しやテロップで 「そのまんま」 の文字が躍るたびに、 「宮崎県は大丈夫なのか」 という不安がわずか浮上してしまうことを否定できません。個人の資質と芸名との間に相関はないはずなのに。

 反面、氏を当選へと導く一因となったのもまた、芸名ではなかったかと想像します。だって僕なら、

 投票用紙に 「そのまんま」 って書いてみたい。

 こんな欲求が心の内にあることもまた、否定できないからです。無論 「名前がふざけちょる」 と憤慨し、記入を躊躇する層も一定の割合で存在するでしょうが、それを上回るだけの 「 『そのまんま』 って書いてみたい」 層が存在し、欲求にあらがえぬまま記入してしまった……。7万票という大差は、こうしてもたらされたのではないでしょうか。

 や、それは言い過ぎとしても。

 各候補者の政策・演説・人柄を比較検討してもなお誰に投票すればよいか決めかねたとき、ちょっとだけ背中を押したのは 「 『そのまんま』 って書いてみたい」 欲求ではなかっただろうかと、思わずにいられないのです。

comments

あれがsonomanmaだったなら絶対に投票率はかなり変わっていたはずです。
「ローマ字は書けん」層が記入しないに違いありません。
書いたとしても誤字脱字続出でしょうし。
sonomamna
somonamma
sonomama
朝から私は何をやっているんでしょう。

semi166さん>
n と m 多いんだなあ(笑)。

人柄は真面目だし講義も熱心に聴講しているしということで、やたら評判のよかった学生時代。真面目さ、熱さだけでは突破は難しい世界、どうなりますことやら。

  • by Rana
  • at 070127 20:06
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